モンジャクシン篠原

2015年8月3日

第1回(2015.8.3)


 
【笹舟倶楽部】


 

<旅の初めに。>
 

 
~何故私はモンジャクシン篠原氏と出会ったのか~
 

 

毎日私は何処かへ行く。
 

 
アテもなく歩き、街灯に集まる蛾のように飛び入る。
 

 

 
今回、スタジオモンジャクシンのオーナー篠原氏のご好意で連載をさせていただくことになった。
 

 
私は西宮生まれの西宮育ち、いわゆる生粋の宮っ子である。
 

 
篠原氏との出会いは数年前、西宮市神呪町・jazz喫茶笹舟倶楽部にあり、私も篠原氏もその店の常連客であった。
 

 
店内のあちこちには古本とレコードとCDが山積みになっており、テーブルの上にはたくさんの食玩とスクラップされた新聞の切り抜き、マスターのヨメが集めたそうなスヌーピーグッズ。
 

 
兎に角、この雑多な空間が心地良く暖かい。
 

 
いちびりなマスターが愛用PCでヤフオクをぼーっと眺めながら珈琲を飲んでいる。
 

 
今はたった2席しかないが、開店当初はそうでもなかったらしい。
 

 
近所の主婦が珈琲一杯でたわいもない世間話、主人の愚痴などで席を占拠されることをひどく嫌い
 

 
本とCDを日に日に積み上げて座席を埋め尽くして追い出したそうな。
 

 
そんな場所で篠原氏と私は漫画論や音楽論を交わし、意気投合することとなった。
 

 
怪しい店には怪しい客がつきものなのかもしれない。
 

 

 
当時、篠原氏はこのjazz喫茶の近くで中古CDショップとしてのモンジャクシンを営んでいた。
 

 
門戸厄神がもんどやくじん、もんじゃくしんと訛ってモンジャクシンとなったそうな。
 

 
そのことからも漲る愛郷心が伺える。
 

 
今は門戸厄神から移転し、夙川の高架下商店街内でスタジオモンジャクシンとして店を構えておられる。
 

 
著名なミュージシャンも日々訪れ、音楽談義に花を咲かせ満足げに演奏して帰るようだ。
 

 
ナゴムレコードを目指したモンジャクシンレコードという自主レーベルの作成・販売、西宮のまちづくりに音楽家として
 

 
関与、元保育士として保育所ライブを企画されたりとユニークな取り組みを実践しておられる
 

 
モンジャクシンは西宮の音楽文化の発信地として地域に根ざした益々ご活躍されることだろう。

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