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『マイルス6枚分の宇宙』マイルス・デイヴィスBOXセット

始まりは、『マイルス・デイヴィスの真実』という本を買ったことだった。

本人と関係者の証言を集め、マイルスの生涯を追う。

それに沿ってディスコグラフィーも順に紹介してあって分かりやすい。

それで、全歴史を追ったベスト盤を買った。

これがすこぶるよかった。

変化し続けたマイルス。どの時期も良かった。

で、ボックスを買った。

コロムビアレコードから発売された52作+新DVDが入ってる。

まだ半分も聴いてないが、現時点でのお気に入り6枚を紹介しよう。

ダーク・メイガス

マイルスの中で、ロックファンに一番オススメしたい一作。

イかれてる。攻撃的。

サイケデリックに突進してくる快作。

嵐のようなパーカッションとワウギターによりみなぎるスピード感。

一夜のライヴを切り取ったものだが、言われても分からない。

歓声とかも入ってないし、音もいいし、スタジオ盤みたい。

ユア・アンダー・アレスト

プリンス聴いてるみたい。

80年代ポップとロックの融合。

なんといっても、マイケル・ジャクソンのヒューマン・ネイチャー、

シンディ・ローパーのタイム・アフター・タイムのカバーが入っているのが大きい。

そう、そういうアルバムです。

ラウンド・アバウト・ミッドナイト

コロムビア期の始まり。最初の1枚。

この時期には、ジャズっぽいジャズがそれほどない。

が、このアルバムは誰が聴いてもジャズ。ジャズ喫茶でかかってそう。

でもやっぱマイルスなんだ。 湿ったというか優しいというか。

この音色こそが、マイルス・ミュージックを貫く通低音。

駆け出しの頃のジョン・コルトレーンもいい!

ビッチェズ・ブリュー

電化マイルスの代表作。 歴史的名盤。

あえて言うなら初期キング・クリムゾンか?

でもやっぱ全然違う。 世界でただ一つの音楽。

他の電化マイルスと違って空間に隙間があって、気品・芸術性が感じられるのが好き。

ネフェルティティ

電化マイルスはいいけど、ある意味反則。

ビッチェズ・ブリュー以外はやりすぎのもの多いし、

サイケとかファンクと接近してるとも言えるし。

アコースティック編成。パーカッションも入ってない。

よくあるジャズのバンド編成。

なのにどこかジャズと言い切れない音楽をやっている。

この時期こそが、ジャズマンとしてのマイルスの到達点じゃないか?

セヴン・ステップス・トゥ・ヘヴン

2つの編成でできたアルバム。

ハリウッド組とニューヨーク組。

ニューヨーク組はこのあと正規メンバーになった。

ハリウッド組はこの時限り。 しかしこれがすごくいい。

バラードに合ったメンバーなのだと思う。

スティーリー・ダンの全作でピアノを弾いてる

ヴィクター・フェルドマンとマイルスのコラボレート。

ニューヨーク組も生き生きしてていい。対照的。

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